七分五厘で生きられる街の新たな魅力――遠藤智昭のフォトグラフより――

新今宮界隈は、かつて街のにぎわいを支えた建設の日雇労働者たちが高齢化をむかえる時期とともに、外国からの訪問客が増え、新しく街が生まれ変わる兆しが芽吹いているようです。

かつては危険な地域として敬遠されていましたが、今は古き良き人情味を探して、立ち寄る人々が増えました。

もず昌平作詞の『釜ヶ崎人情』に「命があったら 死にはせぬ あくせくせんでも のんびりと 七分五厘で生きられる」と唄われています。七分五厘というのは腹八分より少し下回るちょっと足らない状態のことを指すそうです。これからの時代を生きとおす方法が釜ヶ崎スタイルに埋もれているかもしれませんね。

さまざまな文化が混ざり合いゆっくり変化しつつある新今宮界隈の今を、街に住むフォトグラファー遠藤智昭の写真で切り取ってみました。

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ハルカス、てんしば、天王寺動物園、スパワールド、ドンキホーテと界隈には家族連れで楽しめるスポットが多数点在。ふらっと歩けば、ディープとされる「釜ヶ崎」に入る

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JR新今宮東口のエントランス

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外国からの訪問客が購入するガイドには、新今宮は、自分たちの国よりずっと安全と書かれているそう

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観光客向けホテル、日雇労働者向けの簡易宿泊所が混在するようになった

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じゃんじゃん横丁のにぎわいが徐々に動物園前商店街にのびつつある。かつて、飛田へ向かうこの道は肩を擦れあわせないと通れなかったほど活気があったそうだ

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よりディープな立ち呑みを求めて人が集まる

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地元LOVEラッパーSHINGO★西成の「負けない」看板は撮影の名所、すっかりランドマークに

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西成JAZZで全国的に有名になった難波屋。太子周辺の逗留が多かった観光客も 徐々に萩之茶屋二丁目あたりまで訪れるようになっている

写真|遠藤智昭
写真を撮るために釜ヶ崎に1ヶ月だけ間借りするつもりが、あっという間に3年半。毎日、大笑いしたり、まじめなこと考えたり、感動したりして過ごしています。NPO法人ココルームのスタッフ。そして、写真屋さん。

文|松本裕文